
新島さんと母のユキさん-
ひばりが丘女声コーラスの皆さん
ひばりが丘女声コーラスの練習風景

10月のゲスト:新島奈美子(Namiko Niijima)
テレビ編成所属の新島奈美子さんは、テレビ業界で様々な分野のお仕事を経験されています。なんと毎年夏の沖縄をゾクッとさせるアノ番組にも携わっているんです。
また、音楽教師のお母様を持ち、高校・大学でピアノと声楽を専攻するなど小さい頃から『音楽』と共に育った新島さん。今もなお音楽活動を続ける彼女の原動力とは!?
涼しい笑顔の奥にある熱~い思いをインタビューしました。
―高校・大学と音楽専攻だったそうですが、音楽を始めたきっかけを教えてください。
新島:母親が音楽教師だったことも理由の一つですが、物心がついた頃から歌を歌ったりピアノを弾いたりしていたんです。好きだったんでしょうね。
小学校5年生の時に合唱に入部し、ピアノもより本格的な教室に通い始めたことがきっかけだと思います。ピアノ教室は厳しいレッスンで毎週のように泣きながら通っていましたね(笑)
―泣きながら!?辞めたいと思うことは無かったんですか?
新島:無かったんですよね。厳しい先生だったけど泣きながら褒めてくれることもあったんです。
それに“叱る”“熱意をもって教える”ことはエネルギーのいることだと思うんですよ。妥協なさらなかったのは先生の愛情だなと、今でも感謝しています。
また、社会人になって改めて思いますが、家族のおかげもあります。送り迎えやお金もかけてくれましたし。指導してくださった先生や支えてくれた家族に恩返ししたいですね。
それに、会社に入ってからも職場の皆さんのご理解があるので、こうやって続けられることがありがたいです。
―周りの支えがあってこそなんですね。
では、音楽を通して学んだことや得たものは何ですか?
新島:音楽を表現するために、どう感じ・どう表現するかなど、技術だけではなく、観察力や忍耐力を学んだと思います。先生からはいつも「美術館に行きなさい、色んなものに触れなさい、ヒントは色んなところにあるから」と言われていましたね。
ネットで色々検索できる今ほど情報はありませんから、自分で探しに行かないといけなくて。
―現在も演奏活動を行っているそうですが“音楽とテレビ業界の仕事”2つのステージに立つ選択したのはなぜですか?
新島:大学時代に音楽教師になることを考え始めた頃、教員になるなら音楽以外の世界も知らなきゃと思い、縁あってテレビ業界のアルバイトを始めたんです。
卒業してからもアルバイトを続けながら、自分の進路に悩んでいた時、教師になった学友に会ったんですね。彼女は演奏会に参加することも無くなり、声もガラガラになっていたんです。
その時教師になることの厳しさを痛感すると同時に、音楽活動を続けていきたいという自分の意思がはっきり分かって、縁があったRBCビジョンでのお仕事と両立しようと決めたんです。
―ご自身の演奏活動だけでなく『ひばりが丘女声コーラス』※で伴奏・ボイストレーナーも務めているそうですね。
新島:母が『ひばりが丘女声コーラス』で指導していたこともあり、小さい頃から練習場に遊びに行っていたんです。それで、私が小学校高学年くらいのときかな、専属の伴奏の方がお休みの時ピンチヒッターでピアノを弾いたりして、大学生の時に専属になったんです。
大学では声楽を専攻していたので、ボイストレーナーを務めるようになったのもその頃からです。
※ひばりが丘女声コーラス・・・1972年に那覇市松川小学校のPTAコーラスとして設立され、歌うことが大好きなおかあさんたちが集まり活動しています。12月に開催される那覇市繁多川公民館まつりでは素敵な歌声を聴くことができますよ。
―歌を指導をする側になって戸惑いはありませんでしたか?
新島:コーラスが初めての方もいらっしゃるで、当初は団員へどう指導していくか試行錯誤の連続でした。
あまりアカデミックな雰囲気だとみなさん引いてしまいますから、面白くなるように工夫したり、まずは小さな目標を作って、それを達成しながら大きな目標を目指していくというような積み重ねを大切にしています。
―指導するうえで、心がけていることを教えてください。
新島:“自信をもって下さい”と伝えること。
「奈美子さんみたいに出来ない」とおっしゃる方もいますが団員はプロフェッショナルではないので私の目標とは違うんです。私は音楽経験を重ねて技術を習得している訳ですから。1,2年で出来るようになることでは無いんです。
ですが、純粋に音楽(歌)が好きで、完璧にできなくても「私たちの音楽はこうやりたい」っていう思いがあることが団員の強み。みなさんのこれまでの経験を生かして歌詞が表す情景や場面を想像して歌うと、音楽を長年やっている人にも負けませんよと伝えています。

ひばりが丘女声コーラスのみなさん
―今回練習におじゃまさせて頂き、団員のみなさんが心から音楽を楽しんでいることが伝わってきました。
新島:でも私の指導が空回りして、団員に伝わらず独りよがりになってたこともあったんですよ。それで、「このままじゃ団員も私も音楽を楽しく演奏出来ない!」と思い、母に「ボイストレーナーをやめて伴奏だけにしようか」と相談するぐらい自分を追い込んでしまいました。
だけど、団員の皆さんがいろんな演奏会を聴きに行った後に「奈美子さんが教えていることが、こういうことかな?とわかった気がした」と言われ、救われましたね。
その後、指導の意図をなるべく分かりやすく説明し理解を求めていくうちに皆さんの姿勢が変わって、一体感というか、みんなで一緒に演奏するんだという気持ちがより一層強くなった気がします。母は私が皆さんにきつく言った後にちゃんとフォローしてくれますしね。助かります。
誠意をもって、指導に取り組んでいたら伝わるんだとなと思いましたね。音楽って結構スポ根なんですよ。(笑)
―努力と根性ですね(笑)
新島:『ひばりが丘女声コーラス』は多少歌う技術が足りなくてもしっかりと自分たちのカラーで歌うことを大切にしています。それに様々な状況や家庭環境がある中で、団員は練習に参加して下さるんですね。歌うことが好きだから。
「今日できなかったけど、次は出来るように頑張るね」と言ってくれるんです。その言葉を聞くと、私も頑張ろうと思うんですよね。
―みなさんが音楽に真摯に向き合う姿が、新島さんの原動力なんですね。
新島:その通りです。
―音楽活動で今後チャレンジしたいことはありますか?
新島:「声楽」を今年はお休みしていたので、来年から演奏会に出演できるようにしっかりと練習したいと思っています。もちろん『コーラス』の指導も引き続き頑張っていきますよ。来年は20年来の姉妹団がある台湾の合唱団と台湾で演奏するので気合いが入ってます!
―演奏会にコーラス。ますますのご活躍を楽しみにしています!
新島:ありがとうございます。
どんなに小さな疑問にも向き合う努力をしている
―アルバイトから始まりテレビ業界で様々なお仕事を経験されているそうですが、印象に残ったお仕事はありますか。
新島:これまで経験した業務すべてが新鮮なんですよね。技術やテレビ編成・業務などカメラが無いところでも、放送根幹の部分なんだって思いますし、リレーションが重なって放送されているんだって。
QABの報道でTK(タイムキーパー)の仕事をしていた時は、生放送での一分一秒の大事さを実感しましたね。私「CMあけ何秒前・・・」って言ってたんですよ。(笑)
他にもVTRの尺を見てキャスターに時間を伝えたり。数字に弱いので大変だったことを思い出しますね。
―現在配属されているテレビ編成でのお仕事はいかがですか?
新島:CM班から番組班へ配属になり新しい仕事をしてますが、今は分からないことだらけで広く見れないです。
例えばミスが起こったときに、まだ詳しく分からない自分がいて。何となくは分かるけどどう回避したらいいかアイディアが出なくて歯がゆいんですよ。早く即戦力になるために日々勉強中です。
―仕事をするうえで心がけていることはありますか?
新島:音楽もそうなんですが、天才的にできる人もいれば、コツコツと積み重ねていく人がいて、私はその後者なんです。音楽の先生に「あなたはコツコツと積み重ねると目標に辿り着くタイプ」と言われ続けていたんですね。ですからプロセスが大事だなって思うんですよ。
仕事も同じ。少しでも疑問に思ったことは「まあいっか」とするのではなく、必ず向き合うように心がけています。
―音楽と同じなんですね。
さて色んな仕事をこなしてきた新島さん。なんと沖縄の夏の風物詩「オキナワノコワイハナシ」の歌を歌っているんですよね。
新島:はい。番組プロデューサーにテーマ曲の「耳切坊主(みみちりぼうじ)を歌って欲しいんだけどちょっといいか?」って言われて
私も合唱で歌ったことがあったので軽い気持ちで引き受けちゃったんですよ。オーダーがあったら断れないタイプで・・・
収録で歌詞と音源だけを頂いた時は驚きましたね。歌詞は英語で、曲の始まりがギター。私が知っている「耳切坊主」ではなかったんですよ(笑)
だけど収録は色んな要望を聞きながら歌うのは楽しかったですよ。明るくノリノリな感じや、キレ気味で歌って欲しいなど。だいたい5テイクで取り終えたんですよ。1回きりの特番で使用すると思っていたので、今放送聴くとはずかしくなります。
―5テイクで!?スゴイですね。周りの反響はありましたか?
新島:その当時は近くにいる人にしか伝えてなく、ほとんど誰にも言ってなかったんですよ。でも、ディレクターや制作担当の方から話が伝わって・・・。今では、新入社員に「新島さんはオキナワノコワイハナシの歌を歌っている人だよ」と紹介されるというパターンができましたけど。
―私も2年程前に知って驚きました。今年も沖縄の夏を震撼させてくださいね(笑)
本日はありがとうございました。
新島:ありがとうございました。

息を吐ききってたっぷり吸った後に、息を吐いた時と同じように大きな声を出し、できるだけ長くのばしてみましょう。(羞恥心など考えないで伸び伸びと!)
そうすると、からだ全体から声がでるようになりますよ!
